Non-Profit Organization ODOROKI NETWORK

ネットワーク

NPO法人おどろ木ネットワークは、森と木の文化見直し、ものづくりや手仕事の知恵と創造力をもって、
活力ある地域社会の実現をめざします

ホーム NPO活動 ワークショップ ものづくり交流 木の実験室
木の写真館 家具建具紹介 イベント等情報 木と森林情報 お問い合せ


      塗 装
         
       
 ”いい木地は、鼻油を塗るだけでいいんだ”
        ”ウィンザーチェアーの秘伝の着色剤は馬糞だった”
■塗料の起源
 日本最古の漆製品が北海道垣ノ島B遺跡から出土しており、約9000年前のものだという。塗装することによって、副装品や生活用品をより美しく、耐久性を与えることが出来るということを、先人たちは知っていたはずです。

■塗料の構成要素
 塗料の基本的な構成要素は、塗膜を形成する樹脂成分(ビヒクル)と溶剤です。これに用途に応じて顔料等が入っております。

■木工用塗料の分類
樹脂の種類による分類   溶剤の種類
による分類
造膜メカニズム
による分類 
 作業工程 透明性  用途 
合成系         ウレタン樹脂系   炭化水素系
(石油系)




アルコール系




芳香族系 




水性         
○揮発乾燥
溶剤が揮発して樹脂分が固化するタイプ。ニトロセルロースラッカーや水性エマルション塗料等がこの部類に入る。 
     



○酸化重合  
樹脂が空気中の酸素と酸化重合し固化する。ボイル油や油性ペイント等がこのタイプ。 


○揮発重合タイプ   溶剤の揮発と硬化剤等との反応により固化する。エポキシやウレタン系塗料がこの部類   


重合タイプ 
不飽和ポリエステル塗料や無溶剤タイプのエポキシ塗料等がある。   
○下塗り用塗料
木地と中塗りの間に用いる塗料で目的によってウッドシーラー、ヤニ止めシーラー、サーフェサー等がある。



○中塗り用塗料
中塗りは仕上げ塗りの前工程であり、主に塗膜の平滑性を得るのが目的であり、肉持ちが良く研磨性を向上させたサンディングシーラーがある。



 ○上塗り用塗料 上塗りは、耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性、耐汚染性等、用途に応じた塗膜性能が求められると共に、色・艶等の商品価値を決定する大切な工程であり、木工塗装ではクリヤー、つや消しクリヤー等がある。   
○透明塗料
 木材の塗装は木目や木肌を生かすことから、塗料はクリヤーを使用することが多い。


○半透明塗装
 半透明塗料というのはほとんど無いが、半透明塗装は着色剤を調合する等して現場ではよく行われる。


○不透明塗料
中には、オスモカラーのように、木工用なのに不透明塗料もあるが、塗装後に木目が浮き上がるようになっている。
 塗装仕様で、塗りつぶし、エナメルとなっている場合は木工用不透明塗料を使用する。
       
屋内用    
エポキシ樹脂系  
ポリエステル樹脂系  
アクリル樹脂系  
フッ素系樹脂系   屋外用           
フタル酸樹脂系  
ビニル系  
ニトロセルロースラッカー
天然系       植物性  亜麻仁油 
荏油 
大豆油
サフラワー 
 漆 
動物性 魚油 
 ボイル油 
変成乾性油 

■木材の塗装
 自動車の塗膜の厚さは100μm前後だそうです。私が木工品の塗膜を測ったときは30μm〜50μmでした。テーブルの天板は硬い塗料が厚膜で塗ってありますが、近年、好まれるのは薄膜仕上げで木質感が強調された仕上げのようで、傷ついてもかまわないからと、無塗装を指定するお客もおります。下の写真はエンボス仕上げしたスギに、浸透性の高い一液性ウレタンを下塗りした後にウレタンを薄く塗装した、その断面です。もちろん、お客さんの要望は十分聞くことは何より大切ですが、その上でプロとしての品質を付加させなければなりません。




■塗装工程
1.素地調整
 塗装を学ぶとき、一番最初の作業が「素地調整」です。#120、#180、#240のサンドペーパで木の表面をこする作業で、木目方向が基本です。できるだけ素地に研磨痕が残らないように注意深く行いましょう。また、目に見えない潰れや凹み、接着剤の付着があるので、水引研磨を行うこともあります。これによって木材表面の毛羽をとることも出来ます。



2.素地着色
 刷毛又はスプレーガンを使って素地に直接着色します。以前は色々な染料や顔料を用いましたが、今は市販の木材着色剤を使うことをお勧めします。



○顔料系着色剤

比較的粒子の大きいものから超微粒子顔料と言われるものがある。多少高価ですが、退色が少なく、調色時に凝固等のトラブルも少なく、着色ムラも少ない超微粒子顔料着色剤がお勧めです。
○染料着色剤
 染料着色剤もレッド、イエロー、ブラック、ブルーがあるので簡単に目的の色を調合できます。素地着色用アルコール性や溶剤系塗料にも調合できる万能着色剤もあります。染料を素地着色に使用するときは浸透性が高い分色むらが生じやすいので、その場合は、リターダシンナーを混ぜたり、薄く何回かに分けて行ったり、スプレーガンを用いたりします。

3.下塗り
 下塗りは、塗膜を形成させるというより、木材との付着性向上、着色剤の定着、この後の中塗り、上塗りとの塗膜形成を容易にする等の目的を持っております。



○ウッドシーラー
 比較的粘度が低く木材へ浸透し易く、木目がくっきりと出てくる傾向があり、広葉樹の深みのある仕上がりになります。逆に、針葉樹の白木塗装では、ぬれ色を抑える白木用シーラーを使う場合があります。
○ヤニ止めシーラー
 マツやヒノキ等の樹脂成分が多い樹種へそのまま塗装すると、硬化不良等のトラブルの原因となるため、ヤニ抑えを目的とした下塗りを施します。
○含浸シーラー
 木材に深く浸透し、木材素地自体を固化させるために用います。一液タイプのウレタン系塗料です。

4.下塗り研磨

 下塗りの研磨は、#240の空研ぎ用サンドペーパーを使って軽くなでる程度で行いましょう。下塗りで生じたケバをとるのが下塗り研磨の目的です。強すぎると着色がはがれてしまいます。

○目止め剤
 木材の素地着色は上記の着色剤だけでは十分ではありません。体質顔料と言われるものを適切に併用することによって、よりリアルに木材の表情を浮き上がらせることが出来ます。
特にナラやクリ等、導管がある広葉樹は効果的です。
 以前はよく、砥の粉を水で練って使用したものであるが、水は木地を荒らす傾向があった。木工塗料メーカーの溶剤系の目止め剤が使いやすいと思います。
 体質顔料(砥の粉、胡紛、クレー粉、硫酸バリューム、タルク、珪藻土、シリカ等)



5.中塗り
 サンディングシーラーと呼ばれている塗料で、その目的は塗膜に厚みを付けることです。必要に応じて2回、3回行います。また、その後の中塗り研磨での研磨の作業性を高めるため、研磨性がよいものではなりません。サンディングシーラーは衝撃に弱いという欠点があるので、用途によっては作業性が劣っても強靱なクリヤーを中塗りに使用する場合もあります。


6.中塗り研磨

 サンディングシーラーは空研ぎサンドペーパーで行うがクリヤーの場合は水研ぎ又は石鹸を用いた水研ぎを行います。いずれも研ぎカスは、ブラシとダスターガンを使ってきれいに取り除いておくことが大切です。



7.カラーイング調整

 上塗りの前に、また、上塗りを兼ねて、塗料に染料加えて全体の色を調整するすることがよくあります。これによって素地着色での色ムラを緩和したり、材色に深みを持たせることが出来ます。

8.上塗り

 上塗りは、塗膜の硬さ、ワレ抵抗性、耐久力などの塗膜性能と共に、光沢・色など仕上げ外観がよくなければなりません。また、ほこりの付着も防がねばなりません。塗装作業において最も神経の使うところです。



■いろいろな塗装

○クリ埋もれ木着色目止め仕上げ


○スギの拭き漆風仕上げ



○ヒバ家具の塗装



■塗装トラブル
もどり
白化(   )
目白
にじみブリード
クラッキング
ゆず肌
ピンホール
かぶり
くぼみ
しわ
チョーキング